In Other Waters
https://www.youtube.com/watch?v=IqEZlb97exk
ジャンル : アドベンチャー
リリース : 2020年4月
パブリッシャー : Fellow Traveller
プレイ時間 : 6.9時間
プレイヤーはある惑星に取り残されたAIとして、生物学者と共に彼女のパートナーだった女性を探しながら、その惑星の生態系について調査していくアドベンチャーなんだけど、プレイヤーがAIであるというのが味噌で、AIとしての自分がデータとして未知の惑星を読み取り探索していく様子を、ミニマルな2Dのグラフィックに落とし込まれたゲーム画面を通して体感させられる作りになっている事に必然性が生まれていて美しかった。
さらに、探索を通して惑星に棲息する動植物のサンプルを採集し、プレイを進めていく中で生態系を明らかにしていく事が、このゲームの世界観とシナリオ上の謎を解き明かす要素になっているのも素晴らしいデザインだと思う。(本筋とは関係なくトロフィーのために生物図鑑を完成させるような作りでないので)
技術の進んだ現代においては、創作における世界観というとゴリゴリの手数で作り込まれたグラフィックや、個性的なキャラクターデザインみたいなものの存在が必須条件のように感じられかねないが、このゲームのように丁寧に考えられた生態系とそれに対峙するプレイヤーの視線の関係から必然性を持って立ち上がってくるものこそがまず大事なんじゃないかという気にさせられる。
宮崎駿が「栽培植物と農耕の起源」みたいな本を読みこんでいるみたいな話にも繋がる事だと思う。
シナリオと翻訳も良かった。